概要
Googleは、検索結果をスクレイピングし、特にAI企業にデータを再販するSerpApiとの訴訟で、連邦裁判官から敗訴の判決を受けました。
Googleは、SerpApiが自社のアンチボットシステムSearchGuardを回避したことが、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)の違法な回避に当たると主張しました。しかし、裁判官はGoogleの訴えを退けました。
裁判官の判断は、SearchGuardがGoogleの広告収入を保護するものであり、著作権で保護された作品を保護するものではないというものでした。DMCAの回避防止規定は、著作権保護に関するものであるため、ビジネスモデルの防御壁は著作権ファイルのロックとは異なるとしました。
この判決は、「オープンウェブ上にあるものは、機械が読み取ることを許されるべき」という原則を再確認するものです。Google自身も長年他者のウェブページをクロールして巨大なライブラリを築いてきた経緯があるため、自社の結果がクロールされないことを求めるのは矛盾していると見なされました。
今回のケースは、自動化された訪問者が公開ウェブコンテンツにどのようにアクセスできるかという、いわゆる「エージェンティックウェブ」の創設的な問いに対する重要な初期の判例となります。この判決は、単にGoogleに限定されず、収益保護のためにアンチボットウォールを使用している全てのウェブサイトに影響を与える可能性があります。
つまり、ウェブサイト運営者は、コンテンツがスクレイピングされ、AIモデルに利用される可能性に直面しています。この状況において、ウェブサイトのコンテンツをオープンにするかクローズにするか、意図的に選択し、ホストやCDNが提供するAIクローラー制御などのツールを積極的に活用することが求められています。
解説
今回のGoogleの敗訴判決は、ウェブコンテンツの所有者にとって極めて重要な意味を持ちます。特に、ウェブサイトのアンチボットウォールがDMCAによる著作権保護の根拠とはならないという判断は、多くのウェブサイト運営者がこれまでのセキュリティ対策を見直すきっかけとなるでしょう。
これは、「オープンウェブ」という概念が、自動化されたシステムによるコンテンツの読み取りを原則として許容するという考え方を強化するものです。つまり、ウェブ上に公開されているコンテンツは、意図しないクローラーやAIエージェントによって利用される可能性があることを前提とする必要があります。
ウェブサイト運営者は、もはや裁判所の判断やデフォルトのプラグイン設定に依存するのではなく、どのクローラーに対してどのコンテンツをオープンにするか、あるいはクローズにするか、能動的に決定し、適切な制御を適用することが求められます。例えば、robots.txt、noindexメタタグ、またはホストやCDNが提供するより高度なAIクローラー制御機能などを活用し、意図するAIによるコンテンツ利用とそうでないものを区別する必要があります。
コンテンツがAI学習モデルに利用されることに対する金銭的補償や制御の権利については、まだ議論が続いていますが、現状では自身のウェブサイトにおけるAIによるコンテンツ利用への対応を真剣に考える必要があります。この判決は、ウェブコンテンツへの自動アクセスの条件を巡る議論が現在進行形であり、個々のサイト運営者も無関係ではないことを明確に示しています。
- 掲載元: Search engine journal
- 公開日: 2026-07-28T17:30:13+00:00
