概要
GoogleのAI Overviews (AIOs)がウェブサイトにもたらす影響に関する最新の研究で、AIOsが表示されることで失われるウェブサイトへのクリックは、その品質においてAIOsがなかった場合と大差がないことが判明しました。この結果は、以前の調査の改訂版として発表された、ランダム化されたフィールド実験に基づいています。
研究者らは、AIOsが表示された場合にオーガニッククリックが39.8%減少したと報告しています。以前の報告では38%の減少でしたが、今回の改訂で数値が更新されました。
クリックの品質を評価するために、研究者たちは、ユーザーが検索結果ページに戻る頻度(バウンス率)、10秒以内に終了する訪問の頻度、および宛先サイトでの総滞在時間を比較しました。これら3つの指標のいずれにおいても、AIOsの有無による統計的に有意な差は見られませんでした。
これは、Googleの検索担当副社長であるLiz Reid氏が主張する「AIOsがバウンスクリックを減らす」という見解とは異なる結果です。もしAIOsが主に価値の低い訪問を吸収していたとすれば、AIOsがない場合に得られる追加のクリックは品質が劣るはずですが、実際にはそうではないことが示されました。
AIOsによるクリック損失は、特に情報検索(informational searches)に集中していることが分かりました。ナビゲーション型やトランザクション型のクエリでは、目立った変化はありませんでした。また、AIOsがページトップから削除された場合、上位3位の検索結果が最も多くのクリックを獲得し、特に1位の結果はクリック数がほぼ倍増しました。
この研究は、Googleがトラフィック損失に関して提示してきた「クリック品質の向上」という説明に対し、測定可能な差がないことを示しており、AIOsがさらに多くのクエリに表示されるようになれば、総トラフィック損失は増加する可能性があると著者らは指摘しています。なお、この論文は現在作業草稿であり、査読は完了していません。
解説
この研究結果は、ウェブサイト運営者やSEO担当者にとって非常に重要な意味を持ちます。これまでGoogleは、AI Overviews (AIOs)によってウェブサイトへのクリックが減少する可能性を認めつつも、その代わりに「質の高いクリックが増える」という見解を示してきました。しかし、この最新の調査は、その主張に疑問符を投げかけています。
クリック品質の指標としてバウンス率や滞在時間に統計的な差がないということは、AIOsが表示されることによって失われるオーガニッククリックが、必ずしも「低品質なクリック」ではなかったことを示唆しています。つまり、AIOsによって減少したクリックは、ウェブサイトにとって本来獲得できたはずの、質の良いユーザーからの訪問だった可能性が高いと言えるでしょう。
特に注目すべきは、情報提供型クエリでの影響が大きい点です。多くのウェブサイト、特にブログや情報メディアは、このタイプのクエリからのトラフィックに大きく依存しています。AIOsがこれらのクエリでより頻繁にトリガーされる現状を考えると、ウェブサイトへの影響は避けられないでしょう。
この結果から、SEO戦略には以下のような見直しが必要になるかもしれません。AIOsに吸収されにくい、より深く、独自の視点を持つ高品質なコンテンツの作成に注力すること。また、ユーザーがAIOsで解決できない「次のアクション」を促すような、明確なCTA(Call to Action)やユーザーパスを設計することも重要です。
この論文はまだ査読前であるという点は留意すべきですが、現在のところ、ウェブサイトのトラフィックの質が必ずしも向上するわけではないという、より現実的な視点を提供しています。SERP (検索結果ページ)の変化を常に監視し、AIOsの影響を分析しながら、コンテンツ戦略を柔軟に調整していくことが求められます。
- 掲載元: Search engine journal
- 公開日: 2026-07-01T23:56:14+00:00

Google AI Overviews Study Finds Lost Clicks Weren’t Lower Quality via @sejournal, @MattGSouthern