概要
WordPressが新しいKnowledge Custom Post Type (CPT)をWordPress Coreに直接統合する提案がなされました。この機能は、ウェブサイトに関するガイドラインや知識を一元的に管理するリポジトリとして機能し、編集者、寄稿者、さらには内部のAIエージェントやAIツールによる利用を想定しています。
しかし、この提案は開発者コミュニティから強い反発を受けています。彼らは、この機能がユーザーが実際に必要としているものからかけ離れていると感じています。
カスタム投稿タイプ(CPT)は、WordPressの「投稿」や「固定ページ」以外の独自のコンテンツタイプを作成するための拡張機能です。例えば、WooCommerceプラグインは「商品」というCPTを使用して製品を管理しています。
提案されたKnowledge Custom Post Typeは、2026年2月に提案され、1か月後にはGutenbergプラグインに実験的機能として統合されました。対象となる知識タイプには、「サイトの目標」「コピーのトーン」「画像のスタイル」「ブロックごとのルール」「アクセシビリティ要件」などが含まれます。
WordPressは、このKnowledge CPTをコアに統合することで、人間、AIエージェント、ツール、プラグインを含むサイト作業者全員がウェブサイトのガイドラインにアクセスできるようにする意向です。しかし、この提案には複数の理由から抵抗が生じています。
その理由の一つは、公開された提案では人間とAIの両方による利用が想定されているにもかかわらず、機能のGitHubリポジトリでは「純粋にAIが使用するため」と明記されている点です。これにより、この機能の真の目的や対象ユーザーについて、コミュニケーションの齟齬や内部の混乱があるのではないかとの疑問が投げかけられています。
開発者コミュニティがこの提案に反対する主な理由は以下の6点です。第一に、これはコア機能ではなくプラグインであるべきだという意見。第二に、コアにはすでに十分な機能があり、この追加はブロート(肥大化)を招くという懸念。
第三に、ネイティブな多言語対応のように、より優先すべき重要な未実装機能があるという指摘。第四に、提案が十分に検討されていないのではないかという疑念。第五に、これはユーザー向けの機能ではなく、AI向けであるという認識。
そして第六に、この機能は一般的なWordPressユーザーよりも、AutomatticのWordPress.comにおけるエンタープライズユーザーに利する部分が大きいのではないかという見方です。
今回の議論は、WordPressバージョン7で新たな機能の導入が強く疑問視された2度目のケースとなります。以前にはバージョン7.0で、リアルタイムコラボレーション(RTC)の必要性が開発者によって問われました。
解説
今回のWordPressのKnowledge Custom Post Typeのコア組み込みに関する議論は、「WordPressのコア機能とは何か」という根源的な問いを提起しています。開発者コミュニティの強い反発は、単に機能の良し悪しだけでなく、プラットフォームの方向性や優先順位に対する懸念を示していると言えるでしょう。
特に重要な点は、提案が人間とAIエージェントの両方に利用されると説明されているにもかかわらず、技術的な仕様ではAI向けの用途が強調されている点です。これは、機能の目的が不明瞭であるか、あるいはコミュニケーションに問題があることを示唆しており、ユーザーや開発者から信頼を得る上での課題となります。
開発者が指摘する「プラグインであるべき」という意見は非常に合理的です。カスタム投稿タイプは、サイトごとにその目的や構造が大きく異なるため、コア機能として一律に提供するよりも、プラグインとして選択的に導入できる方が、サイトの柔軟性を保ち、ブロートを避ける上で望ましいからです。
また、「ネイティブな多言語対応」のような、より普遍的で多くのユーザーが待ち望んでいる機能が未だに提供されていない中で、一部のユースケース(特にAIエージェント向け)に特化した機能が優先されることには、多くの開発者が疑問を感じるのは当然と言えます。これは、WordPressプロジェクトのリソース配分と戦略に対する批判でもあります。
「Automatticのエンタープライズユーザーにメリットが大きい」という指摘は、WordPressが一部の大規模ユーザーのニーズに偏りつつあるのではないかという懸念を反映しています。オープンソースプロジェクトとしてのWordPressが、その多様なユーザーベース全体をどのように見ているのか、改めて問われるべき点です。
私たちユーザーとしては、新しい機能が導入される際には、それが本当に自分のサイトに必要か、パフォーマンスに影響はないか、そして将来的な汎用性があるかを慎重に見極める必要があります。安易なコア機能の追加は、サイトの肥大化や管理の複雑化につながる可能性があるため、注意が必要です。
- 掲載元: Search engine journal
- 公開日: 2026-06-25T09:17:57+00:00

WordPress Developers Say New AI Feature Does Not Belong In Core via @sejournal, @martinibuster