SEO最前線

SEOコンサルタントが最新のSEO情報をお届けします

AIエージェントに求められるものを作る

概要

Y Combinatorのモットー「Make something people want」は、常に製品ではなく流通についてのものでした。過去20年間、この流通は検索エンジンやソーシャルメディア、有料広告、口コミといった人間が介在するチャネルを通じて行われてきました。

しかし、この状況は変化しています。過去6ヶ月間で、Cloudflare、Shopify、Stripe、Supabase、Netlify、Googleの6社がそれぞれ独自に、新しい流通チャネルであるAIエージェントへの対応に投資しました。

これらのAIエージェントは、ウェブサイトを訪問し、情報を抽出し、オプションを比較し、人間が委託した取引を完了させます。異なる業界の6社が協調することなく同じ未来を予測し、そのためのインフラを構築したことは、このチャネルが本物であることを示しています。

ウェブサイトは引き続き人が求めるものを提供する必要がありますが、多くの人がそれを「見つける」方法として、AIエージェントが加わりました。人間には機能してもAIエージェントには機能しないウェブサイトは、流通チャネルが壊れた製品と言えます。

Agent-readinessとは、ウェブサイトが非人間訪問者に提供する情報をどのように届けるかに関するインフラ上の意思決定です。

具体的には、エージェントがコンテンツを読めるか(JavaScriptに依存しないサーバーレンダリングされたセマンティックなHTMLが基本)、提供物を発見できるか(AIユーザーエージェントを認識するrobots.txt、最新のsitemap、構造化データ)、そして行動できるか(購入やサービス利用を完了できるプロトコル層)が重要となります。

Cloudflareはエージェント向けインフラに特化した「Agent Launch Week」を実施し、ShopifyはAgent Toolkitを提供。GoogleはUniversal Commerce Protocol(UCP)やAgent Payments Protocolを推進し、Stripeはエージェントによる取引を可能にするProjectsを、NetlifyはAIエージェント専用の入り口であるnetlify.aiを開発しました。

Supabaseは「Postgres development platform」という機械可読性の高いタグラインにより、結果的にAI構築アプリのデフォルトデータベースとなっています。これらの企業は、機械可読性のアイデンティティ、構造化されたコンテンツ、発見可能なアクション、予測可能なトランザクションフローを必要とする新しい訪問者層に一斉に対応したのです。

YCのモットーは変わりませんが、エージェントが人々が製品を見つけ、比較し、購入を決定する方法の一部となった今、ウェブサイトはAIエージェントにも対応する必要があります。

解説

検索エンジンやソーシャルメディアが主要な流通チャネルであった時代が、徐々に過去のものとなりつつあることを示唆する記事です。Googleをはじめとする大手IT企業がAIエージェント対応にこれほどまでに注力しているという事実は、単なるトレンドではなく、ウェブのインフラレベルでの根本的な変化を意味しています。

今、ウェブサイト運営者が取り組むべきは、自社のサイトがAIエージェントにとって「使いやすい」かどうかを見直すことです。これは、SEO対策の延長線上にありながら、より深く、サイトの構造やデータ表現に関わる課題です。

具体的な対策としては、まずサーバーサイドレンダリング(SSR)の徹底が挙げられます。JavaScriptに過度に依存せず、主要なコンテンツがHTMLで直接レンダリングされるようにすることで、AIエージェントが正確にコンテンツを読み取れるようになります。これは、Googleの従来のクローラー対応とも共通する重要な基盤です。

次に、構造化データの強化です。Schema.orgなどを活用し、商品情報、サービス内容、企業情報などを機械が理解しやすい形式でマークアップすることで、AIエージェントはサイトの内容を正確に解釈し、比較検討や取引に活用できます。robots.txtやsitemap.xmlの最適化も、エージェントの発見性を高める上で不可欠です。

最終的には、ShopifyのAgent ToolkitやGoogleのUCPのように、API連携を通じてAIエージェントが直接取引やサービス利用を完了できるようなプロトコル層への対応が求められるでしょう。これはより高度な取り組みですが、将来的な競争優位性を築く上で決定的な要素となります。

ほとんどのウェブサイトがまだこの変化に対応できていない今が、先行者利益を得る絶好の機会です。自社のサイトが機械可読性を備え、構造化された情報を提供し、エージェントが行動しやすい設計になっているかを早急に評価し、必要な改善に着手することが、今後のビジネス成長の鍵となるでしょう。これは単なる技術的な課題ではなく、新しい流通チャネルを獲得するための戦略的な投資と捉えるべきです。


  • 掲載元: Search engine journal
  • 公開日: 2026-06-21T12:00:34+00:00

Make Something Agents Want via @sejournal, @slobodanmanic