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Ahrefsが13.7万サイトを調査:llms.txtの97%は読み込まれていない

概要

Ahrefsは137,210のドメインを対象に、llms.txtファイルの利用状況とそのトラフィックを分析しました。この調査は、llms.txtに関する意見が多い一方で、具体的なエビデンスが不足している現状を背景に行われました。

調査対象のサイトのうち、28%がllms.txtファイルを公開していました。しかし、2026年5月のデータによると、これらのファイルの97%は全くトラフィックを受け取っていませんでした。つまり、ほとんどのllms.txtファイルはボットや人間によって読み込まれていないということです。

トラフィックがあった残りの3%のファイルについては、そのリクエストの96%がボットによるものでした。その中でも、特定のAIツール(GPTBot、Claude-Codeなど)からのフェッチは全体の19.5%を占めていました。

llms.txtは、Jeremy Howard氏が2024年に提案した、サイトのルートに設置されるMarkdown形式の単一インデックスファイルです。その目的は、LLMやエージェントがサイト全体をクロールすることなく、その内容を把握するための情報を要約することにあります。これはrobots.txtのようなディレクティブではなく、コンテンツを制御したりブロックしたりするものではありません。

Googleはllms.txtについて矛盾したメッセージを発信しています。新しいガイドでは生成AI機能に表示されるために不要と述べつつ、ChromeのLighthouseは実験的なAgentic Browsing監査でこのファイルの有無をチェックしています。GoogleのJohn Mueller氏は、llms.txtは「検索のためではない」とし、「AIコーディングツールが開発者向けドキュメントを解析する際の一時的な手段」であると説明しています。

調査の結果、llms.txtファイルをフェッチするボットの77%はAIツールではないことが判明しました。主要なカテゴリは、SEO監査ツール(21.7%)、その他・未分類(14.9%)、一般的なウェブクローラー(13.1%)、技術プロファイリングツール(11.6%)などです。

AI関連のボットを合計すると19.5%になりますが、その内訳を見ると、AIエージェント(10.5%)が最も多く、次いでAIトレーニングクローラー(5.3%、例:GPTBot)が続きます。AI検索リトリーバルボット(1.1%、例:PerplexityBot)はごくわずかであり、llms.txtがChatGPTやPerplexityの回答、GoogleのAI Overviewsでの表示に貢献しているという期待は、現在のデータでは裏付けられていません。

また、AIツールは存在しないllms.txtファイルを積極的に探しに行くことはありません。ファイルへのリンク、インデックス、またはユーザーの指示があった場合にのみフェッチします。

llms.txtを公開することにはいくつかのメリットとデメリットがあります。メリットとしては、安価に公開でき、一部のプラットフォームで自動生成されつつあること、将来的にエージェントがAI検索を仲介するようになった場合に役立つ可能性があること、そしてコーディングエージェントには有効であることなどが挙げられます。

デメリットとしては、97%のファイルが全く読まれていないこと、現在のAI検索の可視性には役立たないこと、そしてプロンプトインジェクションのセキュリティリスクがあることが指摘されています。特に、エージェントがこのファイルを信頼するように設計されているため、古い情報や不正な情報が含まれていると危険です。

解説

今回のAhrefsの調査結果は、多くのウェブマスターやSEO担当者が抱いていたllms.txtファイルへの期待を、現実的なものへと引き戻す内容だと言えるでしょう。現状では、ほとんどのサイトにとってllms.txtはAI検索での視認性向上に直接的な貢献をしていないという事実が浮き彫りになりました。

特に重要なのは、AI検索リトリーバルボットllms.txtファイルをほとんど読み込んでいない点です。ChatGPTやPerplexityなどのAI検索結果に表示されることを目指すのであれば、llms.txt以外の、より確立されたSEO戦略に注力する方がはるかに効果的でしょう。

John Mueller氏の指摘通り、このファイルが最も活用されるのは、AIコーディングエージェントが開発者向けドキュメントなどを解析する際のリファレンスとして、という見方がデータによって裏付けられています。もしあなたのサイトが、そうした専門的な用途を持つユーザー層をターゲットにしているのであれば、検討の価値はあるかもしれません。

また、「将来性への投資」としてllms.txtを導入する考え方もありますが、現時点ではあくまで投機的な側面が強いことを認識しておくべきです。もし導入するとしても、ただ設置するだけでは不十分です。AIエージェントはllms.txtを自発的に探しに行くことはなく、HTMLからのリンクや、その他のエージェントへの指示によってファイルに誘導される必要があります。

そして、最も注意すべきはセキュリティリスクです。AIエージェントはllms.txtに書かれた情報を信頼するように設計されているため、悪意のあるプロンプトインジェクションの機会として利用される可能性があります。ファイルを公開する場合は、厳格なバージョン管理を行い、編集者を制限し、コンテンツは簡潔なリンクと説明のみに限定するなど、コードと同等のセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

結論として、現在のところ、多くのサイトにとってllms.txtは優先度の高い施策ではないでしょう。もし導入を検討するのであれば、まず自身のサイトログでAIボットのアクセス状況を確認し、その効果とリスクを十分に理解した上で、慎重に進めることが賢明です。


  • 掲載元: Ahrefs Blog
  • 公開日: 2026-06-15T10:27:40+00:00

We Analyzed 137K Sites: 97% of llms.txt Files Never Get Read