SEO最前線

SEOコンサルタントが最新のSEO情報をお届けします

CMOとCIOの摩擦:AIエージェントとAEOエコシステムの舵取り

概要

現在、多くの企業でCMOCIOの間で、AIエージェントに対する認識のずれが生じています。CIOは生産性向上を、CMOはブランドの外部露出や顧客との接点を重視するため、同じ言葉でも異なる問題を想定しており、この隔たりが収益問題に直結しています。

ウェブサイトはこれまで人間のために設計されてきましたが、今後は人間と、その代理となるAIエージェントの両方に対応する必要があります。もしrobots.txtやファイアウォールでAIエージェントをブロックしている場合、それは単なるボット対策ではなく、潜在的な顧客を遠ざけ、CMOやマーケティングチームの収益目標達成を阻害することになります。

ブランドが認識すべきAIエージェントには3つの層があります。1つ目は、リアルタイムでコンテンツを収集するAIクローラーとエージェント(GPTBot、ClaudeBotなど)。2つ目は、ユーザーに代わってページを閲覧し、購買行動まで行うAIブラウザ(Perplexity Cometなど)。3つ目は、人間が質問し回答を読むAIアシスタント(ChatGPT、Claudeなど)です。これらすべてがAIがブランドについて語り、コンテンツを引用できるか判断し、消費者の認識や購買行動を形成しています。

2025年11月から2026年3月の間、AIエージェントの活動は月間150%増加し、検索からの訪問の88%がAIエージェントによるものとなっています。全ウェブサイトトラフィックの15%を占め、2026年末までに人間の検索を上回る勢いです。しかし、81%の組織がAIエージェントを旧来のボットと同じカテゴリに分類し、古いアクセスルールを適用しています。

AIエージェントポリシーを設定しているブランドはわずか20%で、そのうち77%は学習クローラーのみをブロックしています。これはブランドにとって、AIが自社ストーリーを学習できず、競合にナラティブを渡すリスクがあります。検索サイドのクローラーユーザー向けエージェントに対する戦略を持つブランドはさらに少数です。適切なAIエージェントポリシーがない場合、推定で400億ドルの検索機会が失われる可能性があります。

AIエージェントのアクセス管理は、もはやSEO機能だけでなく、マーケティング、IT、デジタル組織の共同責任です。AIエンジン自体もブランドに対する意見を形成し、顧客に回答として提供するため、これが顧客の第一印象となり、収益を守る上で各AIエンジンがブランドをどう語るかを追跡することが不可欠です。

最新調査では、多くの企業がAIエージェントAEOへの移行に対し、認識は広いものの、責任の所在が不明確で「準備ができている」と断言できません。マーケティングとIT/セキュリティ間の議論は停滞しがちで、AIエージェントがウェブサイトを発見、読み取り、引用できるかどうかを誰も共同で所有していない現状が浮き彫りになっています。

解説

この記事が指摘するCMOCIOAIエージェントに対する認識のずれは、多くの企業にとって喫緊の課題であり、最終的に企業の収益に直接的な影響を及ぼします。企業はもはや、ウェブサイトを人間だけでなくAIエージェントにも最適化する必要があります。

robots.txtやファイアウォールでAIエージェントを無差別にブロックすることは、もはやセキュリティ対策ではなく、潜在的な顧客を逃し、ビジネス機会を損失する行為となり得ます。重要なのは、3つのAIエージェント層がブランドのコンテンツにアクセスしやすく、機械可読であることを確保することです。

特に学習クローラーだけをブロックする戦略は、ブランドストーリーをAIに学習させず、結果的にAIが生成するコンテンツにおけるブランドの存在感を希薄にするリスクを伴います。検索サイドのクローラーユーザー向けエージェントへの対応こそが、AI時代の収益機会を捉える鍵となります。

AIエージェントへの対応は、単なるSEOチームの業務ではなく、CMOCIO、マーケティング、IT、そしてデジタル部門が連携して取り組むべき全社的な課題です。AIがブランドの「編集者」となり、顧客の第一印象を形成するという点は、CMOにとって見過ごせないでしょう。AIが自社ブランドをどのように語っているかを継続的に追跡し、ブランドレピュテーション管理の一環として組み込む必要があります。

CMOは、AIエージェントの抽象的な説明ではなく、具体的な競合他社の引用状況を示すことで、役員会の理解と投資を引き出すべきです。どの競合がAIに頻繁に引用されているか、自社がどのAIプロンプトで露出を逃しているかを明確に提示することが、資金とリソースを獲得するための有効な手段となります。

一方、CIOは、AIエージェントが内部生産性向上だけでなく、外部の発見、コマース、ブランド認知に影響を与える存在であることを認識し、サイト訪問AIエージェントへのアクセスをセキュリティの視点だけでなく、収益の視点から再評価する必要があります。従来のボット対策が、今やビジネス機会の損失に繋がりかねないことを理解することが不可欠です。

マーケティングと検索チームは、測定レイヤーを早期に導入し、AI引用、AI回答におけるブランドプレゼンス、AI発見に紐づくビジネス成果を明確に測定できるようにすることが求められます。また、3つのAIエージェント層それぞれに対して明確なポリシーを文書化し、収益に最も重要な層を保護する戦略を策定することが、この摩擦を解消し、AI時代の競争優位性を築くための第一歩となるでしょう。


  • 掲載元: Search engine journal
  • 公開日: 2026-06-09T08:00:22+00:00

The CMO And CIO Friction Point: Navigating The AI Agent And AEO Ecosystem