SEO最前線

SEOコンサルタントが最新のSEO情報をお届けします

APAC検索戦略:GoogleとBaiduの先へ

概要

APAC(アジア太平洋)地域における検索戦略は、米国や欧州のGoogle戦略の単なる延長ではなく、地域全体の情報発見の仕組みを理解する必要があります。Googleが支配的な市場も多いですが、その状況はグローバルチームが想定するよりもはるかに細分化されています。

例えば、日本ではGoogleの59.58%に対し、Bingが31.63%の検索シェアを占め、SEOと有料広告の両方に影響を与えます。韓国ではGoogle(46.81%)とNaver(43.96%)がほぼ同等のシェアを持ち、Google単独の戦略では不十分です。ベトナムではCocCocが5.34%のシェアを持ち、一部のカテゴリで視認性に影響を与えています。

情報発見の状況は、AI駆動型インターフェースによって質問から意思決定までの経路が短縮され、変化しています。また、スーパーアプリやプラットフォームエコシステムも、情報発見の場所を変えています。ユーザーは単一の体験内で解釈、要約、意思決定をガイドするシステムとやり取りしています。

このような細分化とインターフェースの変化により、APACでの優位性は、単一のアルゴリズムを理解することではなく、独自のロジックを持つ複数のシステム全体で情報がどのように配信されるかを理解することにかかっています。

発見を再形成する主な4つの要素があります。1つ目は、AI駆動型回答システムの台頭です。単にSERPで上位表示されるだけでなく、コンテンツはAIに選択、理解、引用されるように構造化される必要があります。

2つ目は、スーパーアプリの役割です。韓国や日本のように、KakaoTalkやLINEのようなメッセージングプラットフォームやコンテンツエコシステム内で情報発見が行われます。LINEは日本で、ブランドの主要なエンゲージメントインターフェースとなっています。

3つ目は、通信事業者を介した配信です。インドのBharti AirtelとPerplexity、Reliance JioとGoogle Gemini AI、韓国のSK TelecomとPerplexityの提携のように、通信事業者がAIツールをバンドルすることで、伝統的な方法では達成できない規模で導入が加速しています。これらのツールは「アシスタント」として位置づけられ、ユーザーが意識的に行動を変えることなく情報とのやり取りを再構築します。

4つ目は、ポータルベース検索の進化です。韓国のNaverや日本のYahoo!のようなポータルは、コマースやメディアなどを組み込んだ構造化された環境として機能し、ユーザーを他の場所へ誘導することなくAI生成による要約を加えて回答を提供するようになっています。

成功は、単一のエンジンでの視認性だけでなく、人々が実際に答えを見つけているあらゆる場所に存在することへと目標が移行しています。測定方法は行動に追いついておらず、オーガニック検索を単一チャネルとして報告することは不十分です。最低でも、エンジン別および発見タイプ別にパフォーマンスをセグメント化すべきです。

規制もAPACにおける検索と発見の運用方法を形作っています。日本、韓国、インド、ベトナムなどの市場でのプライバシー法や、AIシステムに対する規制は強化されています。これを遵守タスクとしてだけでなく、戦略的制約と機会として早期に計画することが重要です。

解説

この記事は、APAC地域におけるSEO戦略が、単にGoogleアルゴリズムへの最適化から、より広範な分散型発見エコシステムへの適応へとシフトしていることを明確に示しています。これは、グローバルなSEOチームにとって非常に重要な視点の転換を迫るものです。

まず、APACは「GoogleとBaiduだけ」ではないという認識が不可欠です。日本におけるBingの高いシェアや、韓国におけるNaverの独自エコシステムは、米国や欧州の戦略をそのまま適用できない具体的な理由を示しています。ベトナムのCocCocのようなローカルエンジンも、競合が軽視している場合、大きな機会となり得ます。市場ごとの違いを深く理解し、それに応じたアプローチを取ることが成功の鍵です。

コンテンツ戦略においては、AI駆動型回答システムへの対応が急務です。単に検索結果で上位に表示されるだけでなく、AIにコンテンツが抽出・引用されることを意識して構造化する必要があります。明確な定義、比較、ステップバイステップの説明など、AIが回答を組み立てやすい形式で情報を提供することが求められます。これは、従来のSEOを置き換えるものではなく、その「拡張」と捉えるべきです。

ローカライゼーションについても言及されています。単なる言語的な翻訳ではなく、構造的な適応として捉えるべきです。米国や欧州で成功したコンテンツのコアコンセプトを維持しつつ、地域の例、規制の文脈、市場固有の詳細を導入することで、効率的かつ効果的なローカライゼーションが可能になります。これにより、AIシステムでも一貫性と信頼性が評価されやすくなります。

測定方法も変革が必要です。オーガニック検索を単一のチャネルとして扱うのではなく、Google、Bing、ポータルエコシステム、ローカルエンジン、AIからの参照といった発見タイプ別にパフォーマンスを評価することで、投資対効果を正確に把握し、新たな機会を特定できます。特にAIからのトラフィックは急速に増加しているため、その追跡と帰属は不可欠です。

最後に、規制を単なる遵守ではなく、戦略的な機会として捉える視点は非常に重要です。早期に規制を考慮したコンテンツ戦略やデータ収集体制を構築することで、将来的な再構築の手間を省き、市場への迅速な適応を可能にします。APAC市場での成功は、競合他社が過少投資している領域を見つけ、そこに的確にプレゼンスを確立する能力にかかっていると言えるでしょう。


  • 掲載元: Search engine journal
  • 公開日: 2026-04-28T12:00:19+00:00

APAC Search Strategy Goes Beyond Google & Baidu via @sejournal, @motokohunt