概要
Seer Interactiveの新しいレポートによると、Q3からQ4にかけて、AI Overviewに引用されたブランドページのクリック率(CTR)は61%低下しましたが、これらのページのクリック数はほとんど変化しませんでした。この低下は一見憂慮すべきものですが、必ずしもパフォーマンスの崩壊を意味するものではありません。
Seerは53ブランドにわたる547万件のクエリを分析しました。
9月には、AI Overviewに引用されたブランドページは1580万回のインプレッションと39万8798回のクリックを獲得し、CTRは2.52%でした。10月にはインプレッションが3310万回に倍増し、クリック数はわずかに40万271回に増加しましたが、インプレッションの急速な増加がクリック数を上回ったため、CTRは1.21%に低下しました。これは、パフォーマンスの低下ではなく、インプレッションの成長がクリック数を上回ったことによる「数学的な問題」です。
11月にはインプレッションが3950万回に増加しましたが、クリック数は30万1783回に減少し、CTRは0.76%に低下しました。可視性が向上したにもかかわらずクリック数が減少した理由は、Seerのデータでは説明されていません。Q4全体では、これらの異なるパターンが組み合わさって61%の低下という数字になり、Search Consoleデータで月ごとに分析することの重要性を示しています。
Seerは、10月のインプレッションの急増が、Googleがブランドが既に引用されているより多くのクエリに対してAI Overviewを表示したためなのか、あるいはブランドがSEOを通じて引用を獲得したためなのかを特定できないと述べています。どちらの解釈も考えられ、アカウントの詳細な分析なしには確認できません。
他のいくつかの調査でも、AI Overviewが表示されるとCTRが低下することが示されています。Ahrefsの分析ではAI Overviewの表示率は20.5%で、情報系や質問形式のクエリで高くなりました。SISTRIXのドイツでの分析では、AI Overview表示時に検索結果1位のCTRが59%低下したと報告しています。
その他の発見として、AI OverviewのSERPにおいて、ブランドが引用されたページは引用されていないページよりもインプレッションあたりのクリック数が約120%多いものの、AI Overviewがないページよりは38%低いことがわかりました。引用は役立ちますが、以前のランキングを回復させるものではありません。
Q4のデータでCTRが低下しても、必ずしもクリック数を失っているわけではありません。問題があると仮定する前に、同じ期間のインプレッションを確認することが重要です。ベンチマークは一般的な傾向を示しますが、あなたのデータはあなたの特定の状況を語ります。クリック数が横ばいであるか、インプレッションよりも速く成長している場合は、実際の減少とは異なる問題です。
今後の注目点は、追加されたAI Overviewの可視性がより多くのクリック数を生み出すのか、あるいは引用されたページがトラフィックの増加を伴わずにインプレッションだけを吸収し続けるのか、という点です。このパターンが続く場合、引用されることの価値はCTRだけが示すものとは異なって見える可能性があります。AI Overviewへの露出が役立っているのか、それとも単にパフォーマンスの測定方法を変えているだけなのかを判断する前に、可視性、クリック数、そして引用カバー率を分けて分析する必要があるでしょう。
解説
本記事は、AI Overviewの導入が検索パフォーマンスに与える影響について、CTRの数値的な低下だけでなく、その裏にあるインプレッションとクリック数の関係を深く掘り下げて分析しています。表面的なCTRの低下に惑わされず、より多角的な視点を持つことの重要性を示唆しています。
特に注目すべきは、CTRの低下が必ずしもクリック数の減少を意味しないという点です。10月のデータが示すように、インプレッションの急増によって分母が大きくなった結果のCTR低下であれば、実際のクリック数は微増している可能性もあります。これは、アナリティクスデータを見る際に、CTR、インプレッション、クリック数の三つの指標を常にセットで確認することの重要性を改めて教えてくれます。
また、Search Consoleなどのデータ分析においては、四半期全体のような大きな括りだけでなく、月ごとや週ごとといったより詳細な期間でデータを分析し、傾向の変化を捉えることが不可欠です。Googleのアルゴリズムや機能の変更は頻繁であり、短期間で状況が大きく変わる可能性があるためです。
記事は、ブランドがAI Overviewに引用されることの価値も指摘しています。引用されることで、引用されていないページよりもクリック獲得に有利であることは、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を強化し、信頼できる情報源としてのポジションを確立するSEO戦略が引き続き重要であることを示唆しています。
しかし、引用されたページでも、AI Overviewがない場合のオーガニック検索結果に比べるとまだクリック率が低いという点は見過ごせません。AI Overviewによる可視性の向上を、いかに実際のトラフィックやコンバージョンに結びつけるか、ユーザーエクスペリエンスを考慮したコンテンツ戦略と併せて検討していくことが、今後のSEOの鍵となるでしょう。AI Overviewの影響を正確に評価するためには、可視性(インプレッション)、エンゲージメント(クリック数)、そして引用の有無と質を総合的に分析し、ビジネス目標と照らし合わせながら戦略を調整していく必要があります。
- 掲載元: Search engine journal
- 公開日: 2026-04-26T05:00:17+00:00

AI Overview CTR Fell 61%, But Clicks Didn’t Collapse via @sejournal, @MattGSouthern