概要
Googleの検索責任者であるリズ・リード氏は、Bloombergのポッドキャストで、AI概要がパブリッシャーページからの「バウンスクリック」を削減していると述べました。
彼女は、AI概要から事実を得られるため、ユーザーがすぐにクリックして検索に戻る必要がなくなったと説明しています。より長く読みたいユーザーは引き続きページをクリックしているとのことです。
リード氏は、一部のクエリでの広告クリック数の減少は認めたものの、クエリ量の増加がこれを相殺していると主張しました。この主張は、昨年からの彼女の他の公式発言と一致しています。
しかし、リード氏はいずれの公の場でも、これらの主張を裏付けるデータを提供していません。彼女の8月のブログ記事にも、具体的なグラフや比較データは含まれていませんでした。
独立したデータは、Googleの主張とは異なる結果を示しています。Chartbeatのデータによると、世界のパブリッシャーにおけるGoogle検索トラフィックは約3分の1減少しました。また、Google Discoverからの流入も前年比で21%減少しています。
Seer Interactiveの分析では、AI概要が表示されるクエリのオーガニッククリック率(CTR)は、2024年の1.76%から2025年には0.61%へと61%低下しました。Pew Research Centerの調査でも、AI概要がある場合のクリック率は8%で、ない場合の15%と比較して低いことが示されています。
Digital Content Next(DCN)の調査では、19の会員パブリッシャー全体で、Google検索からの参照数が前年比で平均10%減少したと報告されています。
これらの独立したデータは、リード氏が「低価値の訪問」と定義するクリックだけでなく、総クリック数やクリック率全体の減少を示唆しています。Googleは、これら二つを区別できる内部データを持っているとしても、それを公表していません。
解説
Googleのリズ・リード氏が「バウンスクリック」という概念を持ち出し、AI概要によるトラフィック減少がユーザー体験の向上と低価値なクリックの削減によるものだとする説明は、プラットフォーム側の見解として理解できます。
しかし、この説明が非常に重要であるにもかかわらず、Googleが具体的な裏付けデータを一切提供していない点は、パブリッシャーやSEO担当者にとって大きな懸念材料です。独立した第三者機関のデータが、総トラフィックやCTRの大幅な減少を示している現状と、Googleの「低価値なクリックのみ減少」という主張との間に大きな隔たりがあるからです。
企業やウェブサイト運営者は、プラットフォームが提供する測定値をそのまま鵜呑みにするのではなく、独自のアナリティクスデータを用いて慎重に分析する必要があります。Googleが「バウンスクリック」という概念で説明責任を果たそうとしている一方で、実際のオーガニックトラフィックへの影響を正確に把握するには、Google Search ConsoleやGoogle Analyticsなどのツールからのデータを詳細に確認し、AI概要導入前後の変化を比較することが不可欠です。
また、質の高いコンテンツを提供し、ユーザーがページに深く関与するような体験を設計することが、AI概要の存在下でも「質の高いクリック」を獲得し、サイトへのエンゲージメントを維持する上でますます重要になります。Googleが強調する「ユーザーが検索に戻る頻度」といったGoogle側の指標と、パブリッシャーが求める「サイトへのトラフィック」という指標のギャップは、今後も議論の対象となるでしょう。Googleからの透明性のあるデータ開示が強く求められます。
- 掲載元: Search engine journal
- 公開日: 2026-04-25T13:00:57+00:00
